9.お墓工事の地鎮祭
ティンダティ(地鎮祭)
沖縄の習わしでは、墓工事が始まる前に「ティンダティ」(手斧立て)と呼ばれる地鎮祭を行います。土地の神様に、これからお世話になります。工事が事故もなく無事に終わりますように祈願いたします。
霊能士(ユタなど)やお坊さんにお願いする等、人それぞれ自分たちのやり方で進めて行きます。
このお墓のティンダティですが、最近では以前とは大分やり方が変わってきております。以前はお供え物として生きたニワトリの足を縛ってお供えしたり、豚の頭を墓口に向けてお供えしたり、生きたカニ・エビ・魚などをお供えしておりました。今でもこのしきたりで行う方も稀におります。
その貴重な体験を私も一度したことございますが、事件が起こりました。何と、ニワトリが式の途中で逃げたのです。慌てて私たちも園内を駆け回りましたが、結局捕獲できませんでした。それでも式は淡々と進んで行きました。第三者から見ますと滑稽に見えたでしょうね。
このような儀式は一般的に霊能士(ユタなど)にお願いされますが、最近ではお坊さんにお願いする傾向が強いです。中には、霊能士にお願いした後、お坊さんにもやってもらう方もおります。人それぞれに信仰心の違いはございますので、より安心感を求めるのであれば、敢えて否定することも無いでしょう。
一般的なやり方としては、家の建築と同じく、四隅に竹を立て、紅白のロープで結び、真ん中に土を盛り、鍬入れを行うやり方です。先に述べた生きたお供え物はなく、重箱、菓子、果物、野菜などをお供えします。
ところで、「土地の神様」というのは、どのような神様なのかご存じですか?
これもやはり中国からの言い伝えによるものです。中国では、お墓を造る際お墓の左側(お墓に向かって右側)にお墓の守り神がおり、「土地の神様」と呼ばれる「后土神(コウドガミ)」が一時的お迎えに来るそうです。 今でも沖縄では、拝みをする際には「ヒジャイガミ」から始まるのは、このような由来があったからのです。
昔はその後、工事の半分がきたら「中の祝い」をし、完成したら引き潮に合わせて「シースービーの祝い」というものを行っておりましたが、最近ではこのような慣習は見られなくなりました。